熊本県ではTSMCの進出をきっかけに台湾人労働者も増加しており、数多くの外国人労働者が働いています。
そんな外国人労働者はさまざまな仕事に就いていますが、給与について気になったり、せっかく日本で仕事をするのであれば珍しい仕事をしてみたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、熊本県の外国人労働者の仕事内容や給与事情、日本の珍しい仕事、日本での仕事の探し方などについて詳しく紹介します。
熊本県の外国人労働者はどんな仕事をしている?

熊本県における産業別外国人雇用の割合は以下の通りです。
| 仕事の種類 | 人数 | 割合 |
| 農業・林業 | 1,237人 | 31.1% |
| 建設業 | 557人 | 14.0% |
| 製造業 | 515人 | 12.9% |
| 卸売業・小売業 | 400人 | 10.0% |
| 宿泊業・飲食サービス業 | 304人 | 7.6% |
| 医療・福祉 | 397人 | 10.0% |
| サービス業 | 200人 | 5.0% |
| その他 | 372人 | 9.3% |
(参照:厚生労働省 熊本労働局「令和6年「外国人雇用状況」の届出状況集計結果(令和6年 10 月末時点)」)
このように、熊本県の外国人労働者の約3割が農業・林業に従事している一方で、さまざまな分野の仕事に就いていることが分かります。
特定技能では選択できる分野の仕事が限られる
「特定技能」は、日本において深刻な人手不足を抱えている14の特定産業分野において即戦力となる外国人剤を受け入れるための在留資格となっているため、限られた14つの分野から仕事を選ぶ必要があります。
具体的には以下の分野の仕事となります。
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業
- 建築
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 自動車運送業
- 鉄道
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 林業
- 木材産業
特定技能は1号2号の2種類があり、特定技能2号を取得すれば実質無期限の日本滞在が認められ、配偶者の帯同が認められることもありますので、仕事の選択肢が限られるものの条件のいい在留資格を取得できるチャンスも広がっています。
熊本県の外国人労働者の給与事情

熊本県の外国人労働者の在留資格と給与事情について詳しく紹介します。
熊本県の外国人労働者の半数が「技術実習」を取得
熊本県の外国人労働者の在留資格でもっとも多いのが「技術実習」となり、全体の約半数となる10,758人(50.2%)の外国人労働者が技術実習という在留資格を取得して日本で労働しています。
技術実習についで多い在留資格は「専門的・技術的分野の在留資格」となり、「専門的・技術的分野の在留資格」のなかでも「特定技能」を取得した外国人労働者数は3,745 人となっており、2023年度の特定技能を取得した外国人労働者(1,237人)と比較して49.3%増加しているほど人気が高まっています。
(参照:厚生労働省 熊本労働局「令和6年「外国人雇用状況」の届出状況集計結果(令和6年 10 月末時点) 」/厚生労働省 熊本労働局「令和5年「外国人雇用状況」の届出状況集計結果」)
在留資格の種類によって給料は異なる
外国人労働者の給料は、雇用される企業や仕事内容、スキル、勤務時間、勤務日数などによっても大きく異なりますが、在留資格によって平均給与は異なります。
熊本県の外国人労働者の半数近くが取得している「技術実習」の給与事情は、一般的に15万円〜20万円ほどが平均給与と言われており、各地域で定められた最低賃金を下回らないような給与設定がされている場合が多いです。
一方で近年取得者が増加傾向にある「特定技能」の給与事情は、一般的に18万円〜30万円ほどになる場合が多くなります。
外国人労働者だからといって給与が安くなることはない
厚生労働省が2020年に定めた「同一労働同一賃金のガイドライン」では、日本人労働者と外国人労働者の待遇に差がつかないようにルールが定められているため、外国人労働者だからといって日本人労働者より賃金が低くなることはありません。
ただし、先ほどもお伝えしたとおり、賃金は仕事内容やスキルなどによっても異なるため、自分よりスキルを持っている日本人労働者と比較した場合、日本人労働者のほうが給与が高くなることもありますし、反対に日本人労働者よりも自分のほうがスキルを持っている場合は日本人労働者より給与が高くなることもあるのです。
このように、基本的に同じ仕事をする日本人労働者と待遇の差はありませんので、外国人労働者の給与についても同じ基準で定められることになります。
外国人労働者のみの職場の場合は最低賃金が重要になる
もともと日本人労働者が働いていた職場に新しい人材として外国人労働者が入社した場合、給与などの労働条件は日本人労働者の基準と同じになります。
しかし、日本人労働者がいない会社や部署、比較できる日本人労働者がいない場合は、基本的に各都道府県で定められている最低賃金を基準に給与が定められることが多いです。
2025年8月7日時点の熊本県の最低賃金は952円ですが、最低賃金が64円引き上げられることを目安として厚生労働省が審議しているため、実現すれば熊本県の最低賃金は1,016円となります。
最低賃金が1,000円を上回るのは熊本県では初のことで、外国人労働者にとっても給与アップが期待できることです。
海外には存在しない!?日本の珍しい仕事3選

日本では当たり前だけれど、海外では滅多に見ることのない珍しい仕事には以下のようなものがあります。
- ティッシュ配り
- 道路の誘導員
- 米軍基地スタッフ
それぞれの仕事について、詳しく紹介します。
①ティッシュ配り
海外ではティッシュは高級品として扱われることも多いため、駅前などで無料でポケットティッシュを配っている人を見ることが外国人からすると珍しい光景となります。
また、無料で配っているティッシュを受け取らずに素通りする日本人が多いことも外国人にとっては驚きの対象になることも多いです。
②道路の誘導員
工事中の道路の誘導員や、商業施設の駐車場の出入り口に立っている誘導員など、道路を円滑に利用できるようにするために仕事をしている誘導員は海外では一般的ではないため、珍しと感じる外国人も多いようです。
ほとんど車が通らないような場所でも炎天下のなか朝から晩まで立ち続けて仕事をする光景は、勤勉な日本人ならではなのかもしれません。
③米軍基地スタッフ
日本は世界でもっとも米軍基地を受け入れている国ということもあり、米軍基地スタッフは珍しい仕事としても知られています。
また、米軍基地内にある飲食店などのスタッフとしても雇用されることもあります。
外国人労働者が日本でやりがいのある仕事を探す方法

外国人労働者が日本でやりがいのある仕事を探す方法は以下の通りです。
- 求人サイト
- 転職・就職支援サービス
- 知人・友人からの紹介
- SNS
それぞれの探し方について、詳しく紹介します。
①求人サイト
日本には数多くの求人サイトがあるため、お住まいの地域や「外国人」などの条件で検索することで多くの求人を探すことができます。
ただし、求人サイトは基本的に日本語で書かれていますし、採用担当者と自分で連絡を取る必要があるため、ある程度日本語を理解していないと利用が難しい部分もあるでしょう。
②転職・就職支援サービス
台湾人・外国人労働者向けの転職・就職支援サービスを利用することで、日本での就職だけではなく、生活面や行政関連、日本語レッスンなどのサポートを受けれられる場合もあります。
初めての日本の生活に不安を持っている場合は、日本での生活を総合的にサポートしてくれる支援サービスを利用することがおすすめです。
③知人・友人からの紹介
すでに日本で働いている同じ国籍の労働者がいる場合や、日本人の知り合いがいるなどの伝手がある場合は、仕事を紹介してもらうこともおすすめです。
知人・友人を通して仕事を紹介してもらうことで、働き手もリアルな職場環境を事前に知れますし、雇用主も労働者の情報を詳しく知れるため、ミスマッチが起きにくいことも大きなメリットとなります。
④SNS
InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどで求人募集している日本企業も多いので、SNSから求人を探してみるのもひとつの手です。
ただし、SNSで探す場合は企業のSNSを数多くフォローして定期的にチェックしないといけませんので、もし働きたい企業が決まっているのであれば、DMなどで直接連絡してみるのもいいでしょう。
日本での仕事に関するよくある質問
日本での仕事に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q1.日本で仕事をするときにどのくらいの日本語能力が必要ですか?
外国人労働者が日本で仕事をする場合、基本的な日本語が理解できれば問題ない場合が多く、仕事によっては日常的会話レベルを理解できるレベルが求められる場合もあります。
日本語能力は「日本語能力試験」によって判断され、N4〜N3レベルが求められる場合が多いです。
Q2.外国人が日本で稼ぎやすい仕事はなんですか?
日本で働く外国人のなかでも、エンジニアなどの技術職や英語教師、通訳、翻訳といった高度なスキルが求められる仕事は稼ぎやすいと言われています。
まとめ
本記事では、熊本県の外国人労働者の仕事内容や給与事情、日本の珍しい仕事、日本での仕事の探し方などについて詳しく紹介しました。
日本では外国人労働者の数が増えており、さまざまな仕事を担当しています。
在留資格によっては就職できる仕事が限られることもありますが、自分自身の経験や好奇心を重視した仕事選びをすることもおすすめです。
ぜひ本記事を参考にして、日本における外国人労働者の仕事選びについてチェックしてみてください。










