熊本県で台湾語を活かせる仕事は?種類や必要な日本語能力を解説!

TSMCの進出がきっかけで台湾人の移住も増えていますが、せっかく日本で仕事をするのであれば、母国語である台湾語や中国語を活かした仕事に就きたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

また、台湾語を活かす仕事をするにしても、どの程度の日本語能力が求められるのでしょうか。

本記事では、熊本県で台湾語を活かせる仕事が多い理由や台湾語を活かせる仕事の種類について詳しく解説します。

熊本県は台湾語を活かせる仕事が多い

熊本における2024年度の台湾人在留者の人数は1,549人となっており、前年度(2023年6月)時点の台湾人在留者511人と比べると3倍ほど増加していることが分かります。

熊本県に台湾人在留者が増加した最大の要因として挙げられるのが、半導体ファウンドリ(受託生産)市場で世界トップのシェアを誇る「TSMC(台湾積体電路製造)」の日本(熊本県)への進出です。

TSMCが熊本県に進出したことで、駐在員の流入や従業員の移住はもちろん、外国人労働者の受け入れ態勢を整えた熊本県が台湾人にとっても働きやすいこと、台湾企業が続々と熊本県に進出していることなども要因として挙げられます。

このように、熊本県はTSMCの進出によって台湾人の受け入れが非常に積極的になり、熊本県内でも台湾語が必要となるビジネスシーンもあれば、台湾人向けの求人も増加することが予想されるため、台湾人にとって熊本県は非常に仕事がしやすい環境が整っているのです。

(参照:讀賣新聞「台湾からの熊本在留者、半年で3倍超 TSMC駐在員らで」)

台湾語を活かせる仕事の種類

人々は屋台の食べ物で食事をします

台湾語を活かせる仕事には以下のようなものがあります。

  • 通訳
  • 半導体メーカー
  • 台湾料理を扱うレストラン

それぞれの仕事について、詳しく紹介します。

①通訳

熊本県ではTSMCを中心とした台湾企業の進出から台湾人の人口も増加しており、台湾語と日本語の通訳の需要が高まっています。

通訳をするためには高い日本語のレベルと2つの言語を同時に理解して話している人の意図まで伝える高度な技術がありますが、通訳として仕事のできるレベルにまで日本語を習得できれば日本での仕事がなくなることは考えにくいです。

②半導体メーカー

TSMCを中心とした半導体メーカーでは、台湾語(中国語)が日常的なレベルで使用できることが応募条件として定められている求人募集もあります。

熊本の半導体メーカーの業務では台湾人が中心となって働いている場所も多くあるため、台湾語を話せることが大きなメリットになります。

熊本では半導体メーカーに関する人手不足が深刻な問題とされているため、台湾語に加えて日本語や英語を日常会話レベルまで話せるのであれば、転職の幅もかなり広がります。

③台湾料理を扱うレストラン

TSMCの進出の影響もあり、熊本県内には多くの台湾料理屋さんがあり、台湾人の店主が切り盛りしているお店も多くあります。

そんななか、2025年3月にはTSMCの工場がある菊陽町に、台湾にてレストランや結婚式場、カフェなどを展開する「御嵿國際股份有限公司」が、台日文化の交流やビジネス協力を推進するための宴会場やレストランとして「日台会館」をオープンさせました。

また、TSMCが第2工場、第3工場の構想を進めているということから、熊本県の”台湾タウン”計画も進められており、今後さらに台湾の飲食点が熊本県で出店することが予想されます。

そのため、台湾レストランでは台湾人の求人募集が行われる可能性が高いです。

台湾語を活かす仕事をするために必要な日本語能力

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日本語能力の基準として使用されているのが「日本語能力試験」です。

日本語能力試験はN5(やさしい)〜N1(難しい)までの5つのレベルに分かれており、それぞれの認定レベルの目安は以下の通りとなります。

レベル認定レベルの目安
N1幅広い場面で使用される日本語を理解できるレベル
・幅広い話題について書かれた新聞の論説、評論など、論理的にやや複雑な文章や抽象度の高い文章などを読んで、文章の構成や内容を理解することができる。

・さまざまな話題の内容に深みのある読み物を読んで、話の流れや詳細な表現意図を理解することができる。

・幅広い場面において自然なスピードの、まとまりのある会話やニュース、講義を聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係や内容の論理構成などを詳細に理解したり、要旨を把握したりすることができる。
N2日常で使われる日本語に加えて、さらに幅広い場面で使用される日本語を理解しているレベル
・幅広い話題について書かれた新聞や雑誌の記事・解説、平易な評論など、論旨が明快な文章を読んで文章の内容を理解することができる。

・一般的な話題に関する読み物を読んで、話の流れや表現意図を理解することができる。

・日常的な場面に加えて幅広い場面で、自然に近いスピードの、まとまりのある会話やニュースを聞いて、話の流れや内容、登場人物の関係を理解したり、要旨を把握したりすることができる。
N3日常的に使われる日本語をある程度理解できるレベル

・日常的な話題について書かれた具体的な内容を表わす文章を、読んで理解することができる。

・新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる。

・日常的な場面で目にする難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば、要旨を理解することができる。

・日常的な場面で、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話の具体的な内容を登場人物の関係などとあわせてほぼ理解できる。
N4基本的な日本語を理解できるレベル

・基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。

・日常的な場面で、ややゆっくりと話なされる会話であれば、内容がほぼ理解できる。
N5基本的な日本語をある程度理解できるレベル
・ひらがなやカタカナ、日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文、文章を読んで理解することができる。

・教室や、身の回りなど、日常生活の中でもよく出会う場面で、ゆっくり話なされる短い会話であれば、必要な情報を聞き取ることができる。
(参照:日本語能力試験「N1〜N5:認定の目安」)

熊本県の外国人労働者の在留資格として半数ほどを占めている「技術実習」においては、日本語能力試験はN4レベル以上もしくはN3レベル以上が求められることがほとんどです。

また、近年増加傾向にある「特定技能1号」を取得するためにはN4レベル以上が求められます。

日本語能力試験のN4を取得するためには、一般的に300時間〜350時間ほどかかると言われており、1日2時間日本語を勉強するのであれば6ヶ月ほどかかりますが、日本での仕事や私生活でも役立つものばかりですので、取得を検討することがおすすめです。

台湾語を活かせる仕事に関するよくある質問

台湾語を活かせる仕事に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。

Q1.台湾人が日本で仕事をするために英語を学ぶ必要はありますか?

日本人の多くは日本語のみを話すため、日本人と一緒に仕事をしたり、日本人をターゲットとしたビジネスをするのであれば英語は必須ではありません。

取引先に英語圏の企業がある場合や、外資系の企業など英語を使う機会が多い企業に属する場合は英語を学ぶ必要があるでしょう。

仕事で英語を使う場合、何かしらの英語に関する資格を取得して英語力を証明することが必要な場合も多く、TOEICを取得する方は多いです。

TOEICを取得する場合、基本的な英語力を証明できるTOEIC600点で問題ない場合もありますし、実際に海外赴任などをする場合はTOEIC700以上が求められることもあります。

ほとんどの業務を英語で遂行する場合はTOEIC900点以上が求められる場合もありますので、希望する企業がどのくらいの英語力を求めているのかを確認することが大切です。

まとめ

本記事では、熊本県で台湾語を活かせる仕事が多い理由や台湾語を活かせる仕事の種類について詳しく解説しました。

熊本県ではTSMCの進出をきっかけに台湾語を使った仕事も非常に増えており、さらに台湾の企業も多く進出しており”台湾タウン”の計画もあるほどですので、今後さらに台湾語を活かせる仕事が増えることは間違いありません。

また、台湾語に加えて日本語や英語を学んでおくと、さらに選択肢を多く持った転職活動を行うことができます。

ぜひ本記事を参考にして、熊本で台湾語を活かせる仕事を見つけてみてください。