外焼肉(庭でジンギスカン)解禁

〜春が来たかは、匂いでわかる〜

どうも、「北海道を知り尽くしたジンギスカン先輩」です。

北海道の5月〜6月。

桜が咲き、雪が消え、朝晩の気温もようやく二桁に乗ってきたあたりで、道民の本能がざわめき始めます。

――そろそろ、あれ、やっていいよね?

そう、北海道に春を告げるもう一つの合図。

それが、庭でのジンギスカン&焼肉の開始です。

道民にとっての“庭”は焼肉会場

北海道の住宅街を歩いていて、ふと風に乗ってくる“あの匂い”。

ラムの脂、タレの焦げた香り、炭火の煙……

「来たな、外焼肉シーズン」

庭・カーポート・駐車スペース・物干し横――

どこでも焼く。どこでも焼ける。

むしろ

家族総出でブルーシート敷いて、折りたたみ椅子持ち出して、七輪かカセットコンロをガンガン炊く。

ジンギスカン鍋は道民家庭の標準装備

本州の人にとっては「たまにやるイベント」だけど、

北海道ではほんの数年前までは「家庭に1枚はあった」ジンギスカン鍋。

・真ん中が山型

・周囲に野菜ゾーン

・溝にタレと脂が流れていくという完璧設計

今ではホームセンターで使い捨てのジンギスカン鍋が定番で販売されています。

そして冷凍庫には「ラム肉ストック」が当たり前。

解凍して、野菜切って、外に出れば、それで準備完了。

近所で漂う匂いバトル

夕方になると、住宅街がざわつき始める。

「……あ、向かいの家が焼き始めたな」

「ウチもそろそろやるか」

「え、匂いだけでビール飲めそう」

最初の1軒がやりだすと、その週末は町内焼肉ラッシュ。

そして、子どもたちは道の端でラム肉つまみながら走り回り、

大人たちは麦芽飲料を片手に

としみじみする。

これ、北海道の春の日常です。

焼肉をするのに「イベント感」が薄い

関東民

「えっ、外で焼肉するの!?バーベキュー!?すごい!」

北海道民

「え、今日天気いいから焼いてるだけだけど…?」

この感覚の差がえぐい。

BBQ=イベント

外焼肉=生活習慣

もう完全にジャンルが違う。

むしろ逆に「外で焼けない週末」が続くとモヤモヤしてくるのが道民。

「まだちょっと寒いけど焼く」

気温15℃くらいの日でも、日差しさえあれば焼く。

・パーカー+軍手で焼くお父さん

・ストーブであったまってからビールを持って出てくるお母さん

・息白いけど笑顔でラム食べてる子ども

むしろ「ちょっと寒いけど外で焼く」のが北海道流の“漢気”なんです。

結論:外焼肉の匂い=北海道の春のテーマソング

春の訪れ。

それは桜の開花じゃない。

日中の20℃突破でもない。

今日もどこかの家の庭で、煙が上がり、笑い声が響き、ジンギスカンがジュウジュウ鳴っている。

そして道民は心の中でつぶやく。

「……よし、うちも今夜、外で焼こう。」