日本企業で働くことが決まった台湾の皆さま、おめでとうございます!
日本と台湾は文化的に似ている部分も多いですが、職場のマナーや働き方には意外な違いがあります。
この記事では、入社初日から気をつけたい日本の職場マナーを10項目に分けてご紹介します。
1. 時間厳守は絶対ルール

なぜ重要?
日本企業では時間厳守が非常に重視されます。台湾では多少の時間のずれが許容される文化がありますが、日本では「5分前行動」が基本です。
具体的に
- 入社初日:指定時刻の10〜15分前に到着しましょう
- 通常勤務:始業時刻の5〜10分前には席に着く
- 会議:開始時間の5分前には会議室に入室
- 遅刻の連絡:やむを得ず遅れる場合は、できるだけ早く電話で連絡(メールやLINEではなく電話が基本)
💡 台湾との違い:台湾では打ち合わせが予定通りに始まらないこともありますが、日本では時間通りに始まります。
2. 服装は清潔感とTPOが命

基本ルール
入社初日はスーツ着用が無難です。会社から「私服OK」と言われていても、初日だけはスーツをおすすめします。
男性の場合
- 紺・グレー・黒のビジネススーツ
- 白または淡い色のワイシャツ
- 派手すぎないネクタイ
- 黒か茶色の革靴(しっかり磨いておく)
女性の場合
- 紺・グレー・黒のスーツまたはジャケット
- スカートの場合は膝丈が基本
- ストッキング着用
- ヒールは3〜5cm程度が無難
- 過度なアクセサリーは避ける
💡 台湾との違い:台湾のオフィスはカジュアルな服装が多いですが、日本では業界によって服装の基準が厳しい場合があります。
3. 挨拶は自分から、笑顔で元気に

基本の挨拶
- 朝の挨拶:「おはようございます」(午後でも使う職場もあります)
- 日中の挨拶:「お疲れ様です」
- 退社時:「お先に失礼します」「お疲れ様でした」
挨拶のポイント
- 相手より先に自分から挨拶する
- 目を見て、明るくはっきりと
- 挨拶の後にお辞儀をする
- すれ違う人全員に挨拶(知らない人にも)
- 「ながら挨拶」(歩きながら、作業しながら)は避ける
💡 台湾との違い:台湾では知らない人への挨拶は少ないですが、日本のオフィスでは社内の人全員に挨拶するのがマナーです。
4. 自己紹介はシンプルかつ謙虚に
入社初日の自己紹介例
「本日付けで入社いたしました、○○(フルネーム)と申します。台湾の○○大学を卒業し、○○の経験があります。日本語はまだ勉強中ですが、一生懸命頑張りますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。」
ポイント
- フルネームで名乗る(名字だけではない)
- 謙虚な態度を示す
- 簡潔に(1分程度)
- 台湾出身であることを伝えてOK
- 最後に深くお辞儀をする
💡 台湾との違い:日本では謙虚さが美徳とされます。台湾のようにカジュアルに話すよりも、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
5. 報連相(ホウレンソウ)文化を理解する

報連相とは?
- 報告(ほうこく):業務の進捗や結果を上司に伝える
- 連絡(れんらく):必要な情報を関係者に共有する
- 相談(そうだん):困ったことや判断に迷うことを相談する
なぜ重要?
日本企業では「報連相」が非常に重視されます。上司は部下の仕事の進捗を常に把握したいと考えています。
実践方法
- 小さなことでも報告する
- 完璧でなくても、途中経過を共有する
- 問題が起きたらすぐに相談する
- 自分で判断せず、まず上司に相談
💡 台湾との違い:台湾では完成してから報告することが多いですが、日本では途中経過の報告も求められます。
6. 敬語と丁寧語を使い分ける
基本の言葉遣い
日本語には尊敬語、謙譲語、丁寧語があります。最初は完璧でなくても大丈夫ですが、基本的なものは覚えましょう。
よく使う敬語
| 普通の言い方 | 敬語(上司や先輩に使う) |
|---|---|
| 言う | おっしゃる、申し上げる |
| 行く | いらっしゃる、参る |
| 見る | ご覧になる、拝見する |
| 知っている | ご存じ |
| わかった | 承知しました、かしこまりました |
避けるべき表現
- 「了解です」→「承知しました」を使う
- 「すみません」→「申し訳ございません」が丁寧
- タメ口は絶対に使わない
💡 台湾との違い:中国語には日本のような敬語体系がないため、日本語の敬語は台湾人にとって難しいポイントです。間違えても気にせず、学ぶ姿勢を見せることが大切です。
7. 名刺交換は重要な儀式

名刺交換の手順
- 両手で名刺を持つ(指で名前を隠さない)
- 「○○と申します。よろしくお願いいたします」と言いながら差し出す
- 相手の名刺を両手で受け取る
- 受け取ったらすぐに内容を確認
- 会議中は名刺を机の上に置く(しまわない)
- 終了後、丁寧にしまう
注意点
- 名刺の上に物を置かない
- 折り曲げたり、メモを書いたりしない
- 名刺入れを必ず持参する
💡 ポイント:日本では名刺は「その人の分身」として扱われます。
8. 電話応対は新人の重要な仕事

基本フレーズ
電話を受けるとき: 「お電話ありがとうございます。○○会社の△△でございます」
取り次ぐとき: 「少々お待ちくださいませ」
担当者が不在の場合: 「申し訳ございません。○○はただいま席を外しております」
ポイント
- 電話は3コール以内に出る
- メモを取りながら話を聞く
- 声のトーンは明るく
- 電話が鳴ったら積極的に出る
💡 台湾との違い:日本では新入社員が率先して電話に出ることが期待されます。
9. ビジネスメールの書き方
基本構成
件名:【○○の件】ご確認のお願い
○○部 △△様
お疲れ様です。
○○部の□□です。
(本文)
以上、よろしくお願いいたします。
―――――――――――――
○○株式会社 ○○部
氏名
メールアドレス
電話番号
―――――――――――――
注意点
- 件名は具体的に
- 宛名から書く
- 本文は簡潔に
- 署名を必ず入れる
- 返信は24時間以内に
💡 台湾との違い:日本のビジネスメールは形式が重視されます。台湾よりも丁寧で長めの文章が好まれます。
10. 会社の飲み会・食事会への参加

飲み会の文化
日本企業では「懇親会」や「飲み会」が頻繁にあります。これは仕事の延長として考えられています。
マナー
- 上司や先輩よりも先に座らない
- 乾杯の音頭があるまで飲まない
- 上司のグラスが空になったら「お注ぎしましょうか?」と声をかける
- 帰るタイミングは上司を見て判断
- 翌日は「昨日はありがとうございました」とお礼を言う
断り方
参加が難しい場合は、早めに丁寧に理由を説明しましょう。 「申し訳ございませんが、本日は○○の予定があり、参加が難しいです。次回はぜひ参加させていただきます」
💡 台湾との違い:日本では飲み会がコミュニケーションの重要な場とされています。無理に参加する必要はありませんが、時々参加することで職場に馴染みやすくなります。
まとめ
日本の職場マナーは最初は戸惑うことも多いかもしれませんが、真摯に学ぼうとする姿勢が何よりも大切です。完璧でなくても、努力している姿を見せることで、周囲の理解と協力が得られます。
心に留めておきたいこと
- 日本人は「形」を大切にする文化
- 「和」を重んじ、協調性を大切にする
- 謙虚さと礼儀正しさが評価される
- 間違えても謝罪して改善する姿勢を見せれば大丈夫
台湾の皆さんの日本での新生活が素晴らしいものになることを願っています。頑張ってください!加油!
参考情報:
この記事は台湾の方が日本企業で働く際に知っておきたい基本的なマナーをまとめたものです。文化の違いを理解しながら、楽しく働けることを願っています!










