鹿児島県で外国人労働者が過去最多になったということが大々的にニュースになりましたが、なぜ鹿児島県は多くの外国人労働者を受け入れているのか、どのような政策で外国人労働者の受け入れを増やしたのでしょうか。
本記事では、鹿児島県の外国人労働者の推移や増加する要因、就労状況について詳しく紹介します。
鹿児島県では外国人労働者が過去最多に

鹿児島県の発表によると、令和6年10月末時点での外国人労働者の人数が14,240人と過去最多を記録しました。
それでは、鹿児島県ではどのような外国人労働者が働いているのか、詳しく紹介します。
鹿児島県の外国人労働者の推移
鹿児島県の外国人労働者は以下のように推移しています。
- 令和元年(2019年):8,387人
- 令和2年(2020年):8,761人
- 令和3年(2021年):8,880人
- 令和4年(2022年):9,900人
- 令和5年(2023年):12,015人
- 令和6年(2024年):14,240人
このように、鹿児島県の外国人労働者の人口は年々増加しており、ここ数年は毎年数千人増加していることがわかります。
続いて、外国人を雇用している事業者数の推移を見てみましょう。
- 令和元年(2019年):1,559事業者
- 令和2年(2020年):1,677事業者
- 令和3年(2021年):1,862事業者
- 令和4年(2022年):2,048事業者
- 令和5年(2023年):2,194事業者
- 令和6年(2024年):2,427事業者
上記の通り、鹿児島県では外国人労働者数は急増している一方で、外国人労働者を雇用する事業者数はそれほど増加していないため、すでにをを外国人労働者雇用している事業者がさらに外国人労働者を雇用していることがわかります。
(参照:鹿児島県「鹿児島県労働局管内における「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」)
鹿児島県の外国人労働者の国籍
鹿児島県の外国人労働者の国籍の割合は以下の通りとなっています。
- ベトナム:5,124人(36.0%)
- インドネシア:3,258人(22.9%)
- フィリピン:1,964人(13.8%)
- ミャンマー:1,198人(8.4%)
このように、鹿児島県の外国人労働者の多くが東南アジアの国々から日本で労働している人であることがわかっています。
(参照:鹿児島県「鹿児島県労働局管内における「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」)
鹿児島県の外国人労働者の保有資格
鹿児島県の外国人労働者の保有資格は以下の通りです。
- 技能実習:7,261人(51.0%)
- 専門的・技術的分野の在留資格:4,358人(30.6%)
- 専門的・技術的分野の在留資格(特定技能):3,099人(21.8%)
- 専門的・技術的分野の在留資格(身分に基づく在留資格):1,544人10.8(%)
外国人技能実習制度における在留資格である「技能実習」とは、開発途上国の人材が、日本で培われた技能や技術を学び、帰国後に母国の発展に貢献することを目的に設けられた制度となり、日本の人手不足を解消するとともに外交人労働者が母国に日本の技術を持ち帰ることで国際貢献になることを目的としているものです。
(参照:鹿児島県「鹿児島県労働局管内における「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」)
鹿児島県の外国人労働者の産業別就労状況
鹿児島県の外国人労働者の産業別就労状況は以下の通りです。
- 製造業:5,481人(38.5%)
- 製造業(食料品製造業):4,135人(29.0%)
- 農林・林業:2,071人(14.5%)
- 建築業:1,540人(10.8%)
(参照:鹿児島県「鹿児島県労働局管内における「外国人雇用状況」の届出状況まとめ」)
鹿児島県で外国人労働者が増加する要因

鹿児島県で外国人労働者が増加する要因は以下のとおりです。
- 鹿児島県の労働人口が減少しているから
- 鹿児島県が外国人受け入れの強化をこなっているから
それぞれの要因について、詳しく紹介します。
①鹿児島県の労働人口が減少しているから
鹿児島県は深刻な少子高齢化問題によって生産年齢人口が減少していること、今後さらに生産年齢人口が減少することが予測されるため、人材不足を外国人労働者の受け入れで解消するといった動きが各事業者でもみられています。
②鹿児島県が外国人受け入れの強化をこなっているから
鹿児島県では、労働人口減少を問題視していることから「かごしま外国人材受入活躍推進戦略」という外国人労働者の受け入れを強化する政策を展開しています。
「かごしま外国人材受入活躍推進戦略」では、外国人労働者の受け入れ強化はもちろん、定着や安定的な確保を目的とした以下のような事業が行われています。
- 外国人材受入活躍戦略推進事業
- 外国人材確保総合支援事業
- 県内企業グローバル人材活用支援事業
- 高度デジタル外国人材獲得モデル事業
- 外国人材のための「かごしま」理解促進事業
- 外国人材向け日本語学習支援事業
- 外国人材受入優良企業表彰事業
- ベトナム人材受入・交流促進事業
- 外国人材定着等支援事業
- 外国人材受入環境整備支援事業
このようにさまざまな政策が展開されていますが、令和7年3月に新設された「外国人材確保総合支援事業」では1億1,854万円の予算が使われているため、鹿児島県がどれだけ外国人労働者の確保に熱心なのかがわかります。
(参照:鹿児島県「鹿児島県における外国人労働者の状況と県の施策」)
鹿児島県の外国人労働者に関するよくある質問
鹿児島県の外国人労働者に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q1.鹿児島県にはなぜ外国人が多いのですか?
先ほどもお伝えしたとおり、鹿児島県は外国人労働者の受け入れを強化しているため、外国人としても鹿児島県で働くことを選ぶ方が多いのです。
まとめ
本記事では、鹿児島県の外国人労働者の推移や増加する要因、就労状況について詳しく紹介しました。
鹿児島県では生産年齢人口の減少から外国人労働者の受け入れを増やすための製作を鹿児島県が積極的に行っている結果、現在のように毎年外国人労働者の人口を増加させることに成功しています。
今後日本全体でも生産年齢人口の減少は深刻な問題となる可能性が非常に高いため、鹿児島県のように外国人労働者の人口増加による環境の変化がある可能性を知っておく必要があるでしょう。










