日本に来るなら知っておきたい!気をつけるべき15のマナーと文化

日本は礼儀やマナーを大切にする国として知られています。

観光やビジネスで訪れる際、日本独特の習慣やルールを知っておくと、より快適に過ごすことができます。日本人は、文化やマナーを知らない外国人に対して寛容なことが多いですが、基本的なルールを守ることで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。

本記事では、日本に来たときに気をつけたい15のことを紹介します。「してはいけない」と難しく考えずに、「知っておくと便利」「気をつけると良いこと」として理解していただければと思います。日本の文化を尊重し、快適な滞在を楽しむために、ぜひ参考にしてください。

歩きながらの飲食は控える

日本では、歩きながら食べたり飲んだりすることはあまり一般的ではありません。

 

日本の街はとてもきれいです。道にゴミがほとんど落ちていないことに驚く人も多いでしょう。その理由のひとつは「ゴミを出さないようにする習慣がある」からです。また、食べ物を持ち歩くと、落としてしまったり、こぼしてしまったりすることがあるからです。特に混雑した場所では、他の人の服や持ち物を汚してしまうかもしれません。

 

このようなことから、公共の場でのマナーとして避けられる傾向にあるのです。

 

ただし、観光地やお祭りでは食べ歩きを楽しめる場所もあります。その場合でも、ゴミの処理や周囲への配慮を忘れずに、日本の文化を尊重しながら楽しみましょう。

 

箸のマナーに気をつける

日本の食事には『箸(はし)』を使う文化があります。正しく使えば問題ありませんが、知らずにやってしまうと、相手に不快な印象を与えてしまう使い方もあります。日本で食事をする際は、つぎのポイントを押さえておくと安心です。

 

①ご飯に箸を刺したままにしない

箸をお椀のご飯に垂直に突き刺すのは、お葬式の儀式を連想させるため、縁起が悪いとされています。ご飯を食べるときは、箸置きや器のふちに箸をそっと置くようにしましょう。

 

②箸から箸へ食べ物を渡さない

食べ物を自分の箸から相手の箸に直接渡すのも避けるべき行為です。これは、日本の火葬の儀式で、亡くなった方の遺骨を箸で拾い、家族や親族同士で受け渡す風習があるためです。誰かに食べ物を渡す場合は、いったん自分の器に置くか、小皿を使って渡すのがマナーです。

 

これらを意識することで、日本の文化をより深く理解し、快適に食事を楽しむことができます。もし間違えてしまったとしても、気づいたら直せば問題ありません。ぜひ、日本の食文化を楽しんでくださいね。

 

チップを渡さない

日本にはチップの文化がありません。日本では、「良いサービスを提供するのは当たり前」という価値観があります。お客さんに最高の接客をするのは仕事の一部であり、その対価として給料をもらっているため、特別な報酬(チップ)は不要だと考えられています。

 

ただ、日本でも「心づけ」と呼ばれる文化があります。これは、旅館や料亭などで特別なお願いをする際に、お礼としてお金を渡すものです。ただし、これはチップとは異なり、特定の場面でのみ使われるもので一般的ではありません。渡す場合は、直接お金を渡すのではなく、小さな封筒に入れるのがマナーです。

 

日本では、チップの代わりに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えることが大切です。良いサービスを受けたら、笑顔で「ありがとう」と伝えるだけで、十分に気持ちは伝わります。また、ホテルや旅館では、チェックアウト時に「お世話になりました」と一言添えると、とても喜ばれますよ。

 

公共交通機関では静かにする

日本の電車やバスでは、静かに過ごすのがマナーです。特に通勤・通学時間帯は、多くの人が乗車しており、静かにしている人がほとんどです。

 

日本では、電車やバスは単なる移動手段ではなく、「リラックスする時間」でもあります。特に朝や夕方のラッシュアワーでは、多くの人が疲れており、移動中に休憩をとる人が多いです。そのため、他の人の邪魔をしないように静かに過ごすのが一般的になっているのです。

 

また、日本の電車は海外に比べて静かなことが特徴です。電車の中で本を読んだり、目を閉じて休んだりする人が多く、周りの音を気にする人が多いことも理由の一つです。

 

特に『電話をしない』『会話は小さな声で』『イヤホンの音漏れに注意する』の3つは大切なポイントです。静かな環境を保つことで、周りの人が快適に過ごせるようになります。もし日本の電車に乗る機会があれば、ぜひこのマナーを意識してみてください。

 

ゴミは持ち帰り、適切に分別する

日本の街はとても清潔です。観光で訪れると、「ゴミがほとんど落ちていない」と感じる人も多いでしょう。その理由のひとつが、「ゴミを持ち帰る」という習慣があることです。

 

日本ではゴミ箱が少なく、自分のゴミは持ち帰るのが基本です。「街をきれいに保つのは自分たちの責任」という意識が強く、誰もが自分のゴミを持ち帰るのが当たり前になっています。公園や駅にゴミ箱がある場合もありますが、数が少なく、常に利用できるとは限りません。そのため、観光の際は、小さなビニール袋を持ち歩くと便利です。

 

また、ゴミを捨てる際に「分別(ぶんべつ)」が求められます。分別とは、ゴミを種類ごとに分けて捨てることです。コンビニや駅のゴミ箱では、「ペットボトル」「缶・ビン」「燃えるゴミ」に分かれていることが多いので、それぞれ適切な場所に捨てましょう。

 

電車の優先席ではマナーを守る

日本の電車やバスには、「優先席(ゆうせんせき)」と呼ばれる特別な座席があります。これは、高齢者、妊娠中の方、身体の不自由な方、小さな子どもを連れた方など、座席が必要な人が優先的に座れるように設けられたものです。日本では、この優先席に関するマナーが非常に重視されています。

 

もし自分が座っていて、高齢者や妊娠中の方が近くに来たら、すぐに席を譲るのがマナーです。ただし、日本人の中には遠慮する人も多いので、「どうぞ」と一言添えたり、軽く会釈をしたりすることで、相手が受け入れやすくなります。

 

ただし優先席は「誰も座ってはいけない席」ではありません。電車やバスが空いていて、周りに優先席を必要としている人がいない場合は、座っても問題ありません。ただし、混んできたらすぐに席を譲る心構えを持つことが大切です。

 

お風呂や温泉では体を洗ってから入る

日本には温泉や銭湯(大浴場)の文化があり、多くの人がリラックスや健康のために利用します。しかし、日本の温泉や公共のお風呂には特有のルールがあり、特に「体を洗ってから湯船に入る」ことはとても大切なマナーです。

 

温泉や銭湯では、湯船(お風呂の大きな浴槽)の中はみんなで共有するものです。そのため、汚れや汗を落とさずに入ると、お湯が汚れてしまいます。日本では「湯船はリラックスする場所」という考えがあり、洗い場でしっかり体を洗ってから入るのがルールになっています。

 

浴場に入ったら、まず「かけ湯」をします。これは、湯船に入る前に自分の体にお湯をかけて、軽く流すためのものです。かけ湯の後は、洗い場に座って、石けんやシャンプーを使ってしっかり体を洗いましょう。また、タオルを湯船の中に入れるのも避けましょう。タオルは、頭の上に乗せたり、浴槽のふちに置いたりするのが一般的です。

 

店や電車内で大声を出さない

日本では、公共の場で静かに過ごすことが大切と考えられています。特にレストランやカフェ、電車の中では、大声で話すことは避けるのがマナーです。日本の文化では、周囲の人に迷惑をかけないことを重視するため、静かに話すことが「思いやり」として評価されるのです。

 

例えば、レストランやカフェでは、隣のテーブルの会話が聞こえないくらいの声の大きさで話すのが一般的です。特に高級レストランや静かなカフェでは、静かに会話を楽しむことが求められます。

 

また、電車では、多くの人が通勤や通学で利用しており、仕事帰りの人が疲れていることもあります。特に朝のラッシュアワーでは、乗客の多くが静かにしており、大声で話すと周りからの視線を感じることがあるかもしれません。

 

ただし、居酒屋やスポーツイベントなど、にぎやかに楽しめる場所もあるので、場所に応じて適切な行動を取ることが大切です。

 

エスカレーターでは片側に立つ

日本では、エスカレーターの乗り方にもマナーがあります。多くの場所では、片側に立ち、反対側を急いで歩く人のために空けるのが一般的です。このルールは地域によって違いがあり、東京では左側に立ち、大阪では右側に立つのが一般的です。片側を空けることで、急ぐ人がスムーズに通れるようにします。

 

しかし、最近では「エスカレーターで歩くのは危険」という考え方も広がっています。歩くことで転倒や衝突のリスクが高まり、特に荷物を持っている人や子ども・高齢者にとって危険です。そのため、駅や商業施設では「両側に立って利用するように」と呼びかけるところも増えています。現地のルールや周囲の様子を見ながら、適切な利用を心がけましょう。

 

道を塞がないように気をつける

日本では、人が多く集まる場所でのマナーが重要視されます。特に、駅の改札前やエスカレーターの出口、繁華街の歩道などで立ち止まると、周囲の人の流れを妨げてしまうため、注意が必要です。

 

日本人は「他人の邪魔をしないこと」を大切にする文化を持っています。そのため、道をふさいでしまうと、表立って注意されることは少なくても、周りの人が困っていることに気づかずにいる可能性があります。

 

移動中に地図を確認したり、写真を撮ったりするときは、道の端に寄るなど、周りの人に配慮した行動を心がけましょう。これを意識するだけで、スムーズで快適な旅を楽しむことができます。

 

家に入るときは靴を脱ぐ

日本では、家に入るときに靴を脱ぐのが一般的な習慣です。日本の家には「玄関(げんかん)」と呼ばれるスペースがあります。玄関は、屋外と室内の境界線のような場所であり、ここで靴を脱ぐのが基本です。

 

玄関には「たたき」と呼ばれる靴を脱ぐための床があり、その上で靴を脱ぎます。脱いだ靴は、そのまま放置せず、靴のつま先を玄関の外に向けて揃えると、より丁寧なマナーになります。

 

玄関で靴を脱いだら、室内用のスリッパを履くことが多いです。ただし、畳の部屋(和室)では、スリッパも脱ぐのがマナーです。畳は素足や靴下で歩くのが一般的なので、和室に入る前にスリッパを脱ぐようにしましょう。

 

過度なボディタッチは控える

日本では、人と接する際の距離感を大切にする文化があります。海外では、握手やハグ、肩を叩くといったスキンシップが一般的な国もありますが、日本人は「パーソナルスペース(個人の空間)」を重視する傾向があります。

 

特にビジネスの場や公の場では、お辞儀や軽い会釈(うなずくような動作)で挨拶をするのが一般的です。親しみを込めて肩や背中をポンポンと叩く行為も、日本では避けたほうが良いです。親しい友人同士なら問題ないこともありますが、職場やフォーマルな場では、不快に感じる人もいます。

 

また恋人同士が手をつなぐことは特に問題ありませんが、電車やレストランなどの公共の場での過度なスキンシップ(抱き合う、キスをするなど)は避けるのがマナーです。日本では、人前での愛情表現は控えめにするのが一般的です。

 

適切な距離を保ちながら、お辞儀や会釈など、日本の習慣に合わせたコミュニケーションを心がけると、よりスムーズに交流を楽しむことができます。

 

自己主張を控える

日本では、自分の意見を主張することよりも、周囲との調和を大切にする文化があります。

 

海外では、自分の考えをはっきり伝えることが大切だとされる国もありますが、日本では「和を大切にする」ことが優先される場面が多いです。これは、「周囲の人と調和を保ちながら物事を進めるのが良い」という価値観です。自己主張が強すぎると、チームのバランスが崩れることや、対立を生んでしまうことがあるため、日本では「空気を読む(周囲の雰囲気を感じ取る)」ことが大切とされています。

 

また、日本語には「曖昧な表現」が多く使われます。たとえば、何かを断るときに、はっきり「No」と言わずに、「ちょっと難しいですね」「考えてみます」と遠回しに表現することが多いです。これは、相手に直接否定的な印象を与えないための配慮でもあります。

 

そのため、強い口調で自分の意見を主張しすぎると、周囲の人を驚かせたり、不快にさせたりすることがあるので注意が必要です。

 

ただし、自己主張を完全にしないわけではありません。大切なのは、伝え方を工夫することです。相手を尊重しながら自分の考えを伝えることが、日本のコミュニケーションでは好まれます。自己主張を強くしすぎず、適切な距離感を持つことで、よりスムーズな交流ができるでしょう。

 

赤信号での横断はしない

日本では、信号を守ることがとても重要とされています。特に歩行者用の信号が赤のときは、たとえ車が来ていなくても、横断歩道を渡らないのが基本です。これは、安全のためだけでなく、日本の「ルールを守る文化」に深く関係しています。

 

そのため、たとえ車が来ていなくても、「信号が赤なら止まる」という意識が根付いています。特に子どもが多い地域では、大人が赤信号を無視すると、「信号を守らなくてもいい」と誤解される可能性があるため、多くの人がしっかりルールを守ります。

 

たとえ車が来ていなくても、多くの人が信号を守るため、横断すると周囲から不思議に思われることもあります。ルールを守ることは、安全のためだけでなく、日本の文化を尊重することにもつながります。日本を訪れた際は、この習慣を意識しながら、安全に歩行しましょう。

 

日本の礼儀作法に神経質になりすぎない

日本には、食事のマナー、公共のマナー、言葉遣いなど、さまざまな礼儀作法があります。これまで紹介してきたように、日本独特の文化やルールが多いため、「間違えたらどうしよう…」と不安になる人もいるかもしれません。

 

しかし、外国人に対してはとても寛容です。日本の文化やマナーを知らない人に対して、「ちゃんと守ってほしい」と厳しく指摘することは少なく、むしろ「日本の文化に興味を持ってくれている」と好意的に受け取る人が多いです。

 

たとえば、日本で初めてお箸を使う外国人が間違った持ち方をしても、たいていの日本人は「箸を使おうとしてくれている」と嬉しく思います。もし箸のマナーを知らなくても、「日本の文化を尊重しようとする気持ち」が伝われば、それで十分なのです。

 

日本では、「すみません」という言葉はとても便利です。何かマナーを間違えてしまったときは、「すみません」と一言言って、軽くお辞儀をすれば、それで問題ありません。また、日本人は外国人に対してフレンドリーな人が多いため、「どうすればいいですか?」と質問すれば、親切に教えてくれるでしょう。

 

日本のマナーは、「相手に不快な思いをさせないため」に存在しています。細かいルールにこだわるよりも、「相手に迷惑をかけない」「感謝の気持ちを伝える」ことが何よりも大切なのです。

 

まとめ

日本には独自の文化やマナーがありますが、それを知っておくことで、より快適に滞在することができます。本記事で紹介した15のポイントは、日本で気をつけると良いことばかりです。

 

特に、公共の場での振る舞いや食事のマナーは、日本人にとって自然なルールですが、知らないと戸惑うこともあるでしょう。しかし、日本人は外国人が日本のマナーを完璧に守れなくても寛容です。重要なのは、文化を尊重しようとする姿勢です。

 

ぜひ、日本のマナーを理解し、実践しながら、日本での滞在を楽しんでください!